キヤノン「コストアップは、来年以降に値上げをすることで吸収していく方針」

先日、キヤノンが2026年第3四半期発表(7月-9月期)を行いました。質疑応答(Q&A)資料を公開しており、部材などのコストアップは、来年以降に値上げすることで吸収していく方針であることを明らかにしました。

キヤノン値上げ

値上げを示唆

Q5. 部材逼迫により 2027年もコストアップが想定されるが、どのように対応していくのか。

A5. 逼迫している部材については、来期の必要量を確保するためにあらゆる手段を講じて、必要量の確保を進めている。そのため、コストアップが想定されるが、来年以降に値上げをすることで吸収していく方針である。これまでのコスト増に対しても随時価格対応を行っているが、今後も数量減の影響や損益とのバランスをみながら、長期的な視点から価格転嫁の判断を行っていく。

Q4. 基板や電子部品の逼迫について、メディカル以外のセグメントに影響は表れていないのか。
A4. プリンティングやイメージングにおいても逼迫しているが、先行して対応していたため、大きな影響は発生していない。メディカルにおいては、4月の生産システム更新に伴う運用の混乱により必要量の発注が行えておらず調達が遅れている。

キヤノンは、メディカル事業において基板・電子部品などの部材がひっ迫し、生産正常化に大幅な遅れが生じ、2027年第2四半期まで生産正常化に時間が掛かることを明らかにしていますが、イメージング事業は先行して対応していたため、現時点で大きな影響は発生していないとのこと。

来年もメモリーや原材料価格は下がらないと想定

Q8. 2027年について、今年と比べたプラス要素、マイナス要素を教えてほしい。

A8. 2027年に向けたマイナス要素としては、今年の関税還付600~700億円のプラスがなくなることに加えて、メモリーや原材料価格についても来年は下がらないと想定しており、来年は通期で影響するためコストアップ要因となることが挙げられる。一方でプラス要素としては、構造改革の費用発生がおおむね終了し、来年以降は効果の拡大が見込まれることに加え、非常に強い需要を背景に半導体製造装置の受注が増えていること、プリンティングも第3四半期から売上が回復してきており、来年以降も回復が見込めることである。メディカルについても、今年は生産トラブルによりマイナス影響が発生したが、生産を正常化して業績が回復していくことで大きなプラス要因となる。

来年もメモリーや原材料価格は下がらない見通しを立てており、現状の価格で高止まりなのか、さらに価格が上昇していくのかでも、製品への価格転嫁の割合が変わってくるのではないでしょうか。

イメージングにおいてコストアップが継続する場合、価格転嫁をしっかり進める

Q13. イメージングについて、第4四半期の営業利益率見通しが前年から大きく低下する見通しとなっているのはなぜか。今後もコストアップが継続する場合、来年の利益率は15%を下回るのか。

A13. 中東情勢の影響とメモリー高騰によるコストアップで営業利益率が約5ポイント悪化していることが主な要因である。加えて、昨年はネットワークカメラの売上が大幅に上振れ、利益率が高かったことも要因である。 コストアップは、現時点では販売価格に転嫁しきれておらず、来年も継続する場合は価格転嫁をしっかりと進めていくことで吸収する。

今回の質疑応答の一連のやり取りを見る限り、来年もメモリーや原材料のコストアップは不可避な状況だけに、既存のカメラやレンズの値上げをはじめ、2027年に登場する新製品はそれ相応の価格になる可能性がかなり高いのではないでしょうか。

今後も購入時が最安値という状況が続きそうです。

キヤノン 2026年Q3決算発表!イメージングは増収増益。今年分のメモリーは確保、コンデジは部材不足に直面
キヤノンの2026年第3四半期決算を解説。イメージングはネットワークカメラやEOS R6 Mark III等の高価格帯が牽引し増収増益を達成。一方でコンパクトカメラの部材不足や中東・中国市況の影響、メモリー確保の状況、国内市場(キヤノンMJ)の動向まで詳しく整理しました。

コメント