最近上位機種に採用される事が多くなってきたCFexpressカード。タイプ別そしてバージョン(世代)も存在するのでまとめてみました。加えて次期バージョンで期待されている技術も取り上げてました。ちなみにCFexpressの規格を策定している団体は「CompactFlash Association(CFA)」です。

CFexpress 規格別 基本性能・サイズ比較
| 項目 | Type A | Type B | Type C |
| サイズ | 20 x 28 x 2.8 mm | 29.6 x 38.5 x 3.8 mm | 54 x 74 x 4.8 mm |
| バスインターフェース | PCIe Gen3 x1 / Gen4 x1* | PCIe Gen3 x2 / Gen4 x2* | PCIe Gen3 x4 / Gen4 x4* |
| 最大理論転送速度 | 1,000MB/s (2,000MB/s*) | 2,000MB/s (4,000MB/s*) | 4,000MB/s (8,000MB/s*) |
| 主な採用メーカー | ソニー | キヤノン、ニコン、富士フイルム、パナソニック等 | 放送用・業務用シネマカメラ(極めて稀) |
| サイズ感のイメージ | SDカードより一回り小さい | XQDカードと同一サイズ | SSDやPCカードに近い |
Type A:小型化と機動性を重視
主にソニーが積極的に採用している規格。3つの規格の中で最も小さく、SDカードよりもコンパクトである事が特徴的。上位規格と比べると転送速度は遅いですが、SDカードと比較すれば圧倒的な高速化を実現しています。
基本的に ” Type A ” を採用しているのはソニーだけなので、価格が下がり難い傾向あり。加えて Type A を生産する製造メーカーは、Type B より少ない印象。
Type B:現在のメインストリーム
現在の普及が最も進んでいるのが ” Type B ” です。レーン数が2本あるため、高画素機の連写や高ビットレートの動画撮影に十分な帯域を持っています。ちなみにサイズがXQDカードと同じため、ニコンの採用は必然だったのかもしれません。今ではキヤノン「EOS R3」「EOS R5」や富士フイルム「GFX100 II」などが採用しています。要は多くのフラッグシップ機・ハイエンド機が採用している ” 事実上の標準 ” 規格です。
Type C:圧倒的なデータ転送量
主に据え置き型のストレージデバイスや、一部の非常に特殊な業務用映像機器での利用を想定した規格。Type Cは非常に高い転送能力を持ちますが、サイズが大きいので一般的なカメラには今後も採用される可能性は低いのではないでしょうか。
進化するバージョン
| 項目 | CFexpress 2.0 | CFexpress 4.0 | 進化のポイント |
| バスインターフェース | PCIe Gen 3 | PCIe Gen 4 | 通信の「道路」が最新世代へ |
| Type A 最大速度 | 1,000 MB/s | 2,000 MB/s | 理論値が2倍に向上 |
| Type B 最大速度 | 2,000 MB/s | 4,000 MB/s | 同上 |
| 消費電力効率 | 標準 | 大幅に向上 | 同じデータ量なら低発熱 |
| 互換性 | – | 完全な後方互換 | 形状・ピン配列は共通 |
すでに2つのバージョン「CFexpress 2.0」と「CFexpress 4.0」が存在します。ちなみに「CFexpress 4.0」は、2023年後半に発表されました。2026年現在ではハイエンド機のスタンダードとなりつつある規格です。2.0からの最大の進化は、単なる ” スピードアップ ” にとどまらず、撮影現場のワークフロー全体を底上げする点にあります。
今、新しくカードを買い足すなら、価格差が縮まってきている4.0を選んでおくのが ” 将来への投資 ” として正解だと思います。
下記に進化による3つの具体的なメリットをまとめました。
理論上の転送速度が2倍に
最も分かりやすい進化ポイント。内部のデータ転送規格が ” PCIe Gen 3 ” から ” Gen 4 ” に進化したことで、1レーンあたりの帯域幅が倍増しました。
熱とバッテリーへの恩恵
意外と知られていないのが電力効率の改善です。実はPCIe Gen 4は同じデータ量を送る際、Gen 3よりも短い時間かつ少ないエネルギーで処理を済ます事が可能。最終的にバッテリーライフの恩恵と、ボディの熱停止リスクを軽減します。
ワークフローの劇的な短縮
カメラ内での書き込みだけでなく、PCへの取り込みで真価を発揮します。CFexpress 4.0対応のカードリーダーと、Thunderbolt 4やUSB4(40Gbps)環境を組み合わせることで、数百GBのRAWデータや4K/8K動画を、理論上これまでの半分の時間でバックアップ可能に。
今後の展望 : CFexpress 5.0 (仮称) と PCIe 5.0
現時点で次期バージョン「CFexpress 5.0 (仮称)」の具体的な話はありません。しかCFexpress 4.0が ” PCIe 4.0 ” を採用して速度を倍増させたのと同様に、次のメジャーアップデートでは ” PCIe 5.0 ” の採用が期待されています。ちなみにPCIe 5.0が採用された場合、データ転送速度は4.0からさらに倍増します。
なぜ PCIe 5.0 が必要なのか?
- RAW動画のさらなる高画質化 … 8K/120pや、より低圧縮なRAW記録。
- PCへの超高速バックアップ … 数TB規模の撮影データを数分で転送するワークフローの実現。
- カメラ内編集・解析 … AIによる被写体認識や高度な画像処理をリアルタイムで行うためのバッファ処理能力。
現時点における障壁・課題
実現に向けて技術的には可能。しかしカメラに搭載するには2つの大きな課題があります。1つ目は熱問題。もう1つは消費電力。高速通信ゆえにバッテリーを激しく消耗するため省電力化が待たれます。
※VPG Profile 5 (VPG1600) の導入の話は、機会があれば別記事にしようかと。さらに追記するとややこしくなってしまうので。

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