ニコン ニッコールレンズ記号と光学技術表記一覧

ニコンのニッコールレンズ記号と基本的な一部光学技術表記をまとめてみました。ちなみにこれを把握しておくと、どのような仕様のレンズなのか理解し易くなります。それでは一緒に見てみましょう。

ニッコールレンズ

S-Line と 無印

グレードS-Line無印
コンセプトSuperior / Special / Sophisticated
(卓越、特別、洗練)
Compact / Affordable / Practical
(小型、手頃、実用的)
描写性能絞り開放から周辺部まで圧倒的な解像力。収差や歪みが極限まで抑えられている。非常に良好だが、周辺減光や解像度はS-Lineに一歩譲る。独特の味わいがあるものも。
コーティングナノクリスタルコートやアルネオコートを標準採用。逆光に非常に強い。一般的なコーティングが中心。逆光時にフレア・ゴーストが出やすい傾向。
AF性能マルチフォーカス方式(複数のAF駆動ユニット)採用モデルが多く、近距離でも高速・高精度。主にSTM(ステッピングモーター)を採用。十分高速だが、S-Lineほど複雑な制御ではない。
ビルドクオリティ防塵防滴設計を徹底。質感が高く、コントロールリングやL-Fnボタンを装備。軽量化のためプラスチックパーツを多用。防塵・防滴に配慮はあるが、より簡易的。
サイズ・重量光学性能優先のため、大きく重くなりがち。小型軽量設計。パンケーキレンズや高倍率ズームなどが豊富。
価格帯高価リーズナブル

FX と DX

記号センサーサイズ主な特徴
FXフルサイズ
(36×24mm)
プロ・ハイアマチュア向けの標準。
ボケ味が豊かで、暗い場所でのノイズ耐性に優れる。Zマウントレンズの場合、特に「DX」と書かれていないものはすべてこのFX用。
DXAPS-C
(24×16mm)
小型・軽量・低価格。
FXに比べてセンサーが一回り小さいため、レンズもコンパクトに作れる。被写界深度は深くなるものの、1.5倍焦点距離を稼げるので望遠撮影に有利。

光学技術・レンズ素材

記号正式名称・意味特徴
EDExtra-low Dispersion特殊低分散ガラス。色にじみ(色収差)を抑え、ヌケの良い描写にする。
SRShort-wavelength Refractive青色より短い波長の光を大きく屈折させ、補正が難しい色にじみを高度に抑える。
PFPhase Fresnel位相フレネルレンズ。望遠レンズを劇的に小型・軽量化できる魔法のレンズ。
FLFluorite Lens蛍石。極めて軽く、色収差の補正能力が非常に高い(主に超望遠の高級機)。
Aspherical非球面レンズレンズの歪みを補正し、ズームレンズなどの小型化に貢献する。

コーティング

記号正式名称・意味特徴
Nナノクリスタルコートニコンの代名詞。ナノサイズの粒子で反射を防ぎ、ゴースト・フレアを激減させる。
ARNEOアルネオコート垂直に入射する光に対して極めて高い防反射効果を発揮。ナノクリと併用される。
Mesoメソアモルファスコートニコン史上最強の反射防止性能。あらゆる方向からの光に対して有効。
Fluorineフッ素コート撥水・撥油性に優れ、レンズ表面に汚れが付きにくく、落ちやすくなる。

AFアクチュエーター

名称駆動方式特徴・メリット主な採用レンズ
シルキースウィフトVCM
(SSVCM)
ボイスコイルモーター最速・最強・最静。
重いレンズ群を高速かつ無音で動かす。磁石とコイルによる直進駆動で、動き出しのレスポンスが極めて鋭い。
Z 400mm f/2.8 TC VR S
Z 600mm f/4 TC VR S
Z 70-200mm f/2.8 VR S など
STM
(ステッピングモーター)
パルス駆動静粛性と滑らかさに優れる。
動画撮影時の駆動音がほぼ無く、ピント合わせがスムーズ。現在のZレンズ(無印〜S-Line)の主流。
Z 24-120mm f/4 S
Z 50mm f/1.8 S
Z DX 16-50mm など多数
マルチフォーカス方式複合駆動近接撮影の画質向上。
複数のSTMを連携させ、2つのフォーカス群を同時に動かす。全域で収差を抑え、高速・高精度なAFを実現。
Z 50mm f/1.2 S
Z 24-70mm f/2.8 S
Z 70-200mm f/2.8 VR S など
SWM
(超音波モーター)
超音波振動一眼レフ時代のスタンダード。
高いトルクで重いレンズを動かす。リング型はマニュアル優先(M/A)が可能。
AF-S NIKKOR シリーズ全般
(Fマウントレンズ)
ステッピングモーター
(AF-P)
パルス駆動Fマウント末期の進化形。
SWMよりも静かで速いAFを目指して一眼レフ用に開発された。動画撮影にも適している。
AF-P NIKKOR 70-300mm
AF-P DX 18-55mm など

ここ最近、各社が新開発 ” AFアクチュエーター ” を採用し、AF性能を向上さえています。ニッコールレンズの場合は ” シルキースウィフトVCM (SSVCM) ” になります。最新AFアクチュエーターは、重いレンズ群を高速高精度しかも静音で動作可能なAFを実現しており注目しているユーザーさんは多いのではないでしょうか。コーティングの方も ” アルネオコート ” の採用を初めています。

一眼レフからミラーレスへ市場は移り変わりましたが、ニッコールレンズが魅力的でニコンカメラとレンズを愛用している方は多いと思います。ニコンは精力的にZレンズラインアップを拡充しており、今後の展開に注目したいところ。表には加えませんでしたが、外観がレトロスタイルのレンズ(SE : Special Edition)も投入しています。

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