ソニーが、年間決算 (2025年4月-2026年3月 業績)を発表しました。イメージセンサー(I&SS)分野が過去最高益を叩き出す一方で、ET&S分野は好調なカメラ事業の裏側に「メモリ価格の高騰」という、我々ユーザーにとっても無視できない影が忍び寄っています。今後の製品サイクルや価格戦略にどう影響するのか、公式資料の数値から詳しく分析します。

ソニーG 業績 ※2025年4月-2026年3月


- 売上高 12兆4,796億円、営業利益 1兆4,475億円
- G&NS … 売上高 4兆6,857億円、営業利益 4,633億円
- 音楽 … 売上高 2兆1,201億円、営業利益 4,470億円
- 映画 … 売上高 1兆4,993億円、営業利益 1,049億円
- ET&S … 売上高 2兆2,605億円、営業利益 1,586億円
- I&SS … 売上高 2兆1,515億円、営業利益 3,573億円
- その他 … 売上高 891億円、営業利益 △746億円
ソニーGは、ゲームや音楽などのエンタメ系事業や半導体事業が好調で最高益更新しました。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(ET&S)業績

イメージング事業は、ET&S分野の中の1事業です。サウンド、ネットワーク&サービス、ディスプレイ、その他、事業も含みます。
| 項目 | FY24 (2024年度) | FY25 (2025年度) | 前年度比 |
| 売上高 | 2兆4,093億円 | 2兆2,605億円 | △1,487億円 |
| 営業利益 | 1,909億円 | 1,586億円 | △323億円 |
2025年度の売上⾼は、前年度⽐6%減の2兆2,605億円。営業利益は、主に減収の影響により、17%減の1,586億円となりました。
イメージング事業 売上高

| 項目 | FY24 (2024年度) | FY25(2025年度) |
| 売上高 | 7,376億3,900万円 | 7,224億6,500万円 |
補足資料によると、2025年度のイメージング事業の売上高は7,224億6,500万円。前年度(7,393億円)と比較すると、約157億円の減収となっています。ちなみにこの補足資料の金額は、百万円単位です。
メモリ価格⾼騰と対策、そして見通し
スピーチ原稿では、メモリ価格高騰への対策に触れています。調達・設計・販売の各領域で施策を講じることで、2026年度の見通しへの影響を300億円程度まで抑制する計画としています。今後、メモリ価格が現状の想定から更に変動した際にも、為替や競合環境などを踏まえながら、柔軟に販売戦略などを⾒直し、収益の維持に努めることも明らかに。
メモリ市況の影響を除けば、ET&S分野における2026年度の収益はイメージング事業を中心に各事業で改善する見通しを立ているので、やはりメモリ市況次第といった感じでしょうか。カメラ事業が引き続き同分野の収益の柱であることが伺えます。
ET&S分野 通期見通し ※2026年4月-2027年3月

- 売上高 … 2兆2,500億円
- 営業利益 … 1,500億円
今回の発表では、イメージング特にカメラ事業に関して詳細を触れていませんが、メモリ市況次第で最終的な増減しそうな印象です。
イメージング&センシング・ソリューション分野(I&SS)業績

| 項目 | FY24 (2024年度) | FY25 (2025年度) | 前年度比 |
| 売上高 | 1兆7,990億円 | 2兆1,515億円 | +3,525億円 |
| 営業利益 | 2,611億円 | 3,573億円 | +962億円 |
I&SS分野は、増収増益を達成しました。2025年度の売上⾼は、主にモバイルセンサーの単価上昇及び販売数量増により、前年度⽐20%増の2兆1,515億円となりました。営業利益は、37%増の3,573億円となり、過去最⾼益を更新しました。

I&SS分野のビッグニュースは、TSMCと次世代イメージセンサーの開発・製造に関する戦略的提携に向けた基本合意を締結したことです。
I&SS分野 通期見通し ※2026年4月-2027年3月

- 売上高 … 2兆700億円
- 営業利益 … 4,000億円
2025年度と比較すると、売上高は減るものの、営業利益は増える見通しとなっています。スマートフォン向けセンサー⼤判化の進展が一旦緩やかになる⾒通しであること、メモリ市況の影響に不透明さがあり、市場成⻑を慎重に⾒ているとのこと。その一方で次期中期経営計画の時間軸では、センサー⼤判化の再加速により、当分野の売上は成⻑軌道に戻ることを予想しており、2026年度はこれに向けた体制整備の年と位置付け、準備をしっかり整えることも明らかにしています。
まとめ

ET&S分野はテレビ事業を整理したので、今後は名実ともにカメラ事業が同分野を牽引していく立場となります。今後の注目点は、やはり「メモリ価格の高騰」がどこまで続くか、そしてソニーがいかにして在庫を確保し、製品価格へ反映させるかという点です。2026年分は必要な数量は確保しているものの、メモリ市況の悪化が長引けば、将来的に製品サイクル(新型機の登場時期)に影響が出る可能性も否定できません。
「あの時買っておけばよかった」と後悔しないよう、欲しい機材がある方は、価格転嫁が進む前の「買える時」に手に入れておくのが賢い選択かもしれません。
一方、過去最高益を更新したI&SS(センサー)分野は、TSMCとの次世代イメージセンサーに関する戦略的提携など、将来への布石も着々と打たれています。今年度は「センサー大判化の再加速」に向けた体制整備の年と位置付けられており、具体的な大きな動きは少し先になりそうですが、次世代の「α」カメラに搭載される技術の進化には、引き続き熱い視線が注がれそうです。


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