日本経済新聞社が、「日経 業界地図 2027」を発売しました。巻頭特集である世界No.1企業はここだ!「世界シェア 67品目」項目の中でCMOSイメージセンサーの出荷額ベース世界シェアが掲載されているので、一緒に見てみましょう。

CMOSイメージセンサー 出荷額ベース 世界シェア 2025
- ソニー … 53.6%(+1.2%)
- 豪威集団 / オムニビジョン … 13.4%(-0.1%)
- サムスン … 13.2%(-1.7%)
- スマートセンス … 5.6%(+1.7%)
- ギャラクシーコア … 3.9%(+0.6%)
- その他 … 10.3%
2025年のCMOSイメージセンサー市場は、上位3社による寡占状態が続くものの、内訳には明らかな地殻変動が起きています。
ソニー:過半数を握る絶対王者
ソニーはシェアをさらに1.2%伸ばし、過半数を維持して独走状態を固めています。
- 高付加価値戦略
AppleのiPhoneをはじめとするプレミアムスマホ向けの大判センサーや、積層型センサーの供給が極めて好調です。出荷額(金額)ベースシェアでは有利な高付加価値戦略とも言えます。 - 車載・産業向けの着実な進展
自動運転(ADAS)用カメラや工場自動化(FA)向けへのシフトも着実に実を結びつつあります。現在進められているソニーによるタムロンへの完全子会社化提案が実現すれば、この車載・産業向け事業の垂直統合がさらに加速するのではないでしょうか。 - 次世代の鍵は「フィジカルAI」
ソニーが次世代戦略として強く掲げるのが、現実世界の情報をセンサーで捉えてAIで処理する「フィジカルAI」です。ちなみに、買収提案を受けたタムロン側も「フィジカルAI」を次世代エンジンとして、両社の思惑が一致した今後の展開から目が離せません。
サムスンとオムニビジョンの「2位攻防戦」
長年2位をキープしていたサムスンがシェアを1.7ポイント落とし、僅差で米OmniVision(オムニビジョン)が2位に浮上しました。サムスンは3位に後退した形です。
- 実質的な中国勢 オムニビジョン
オムニビジョンは米国企業のイメージが根強いですが、現在は中国の半導体大手である上海韋爾半導体(Will Semiconductor / 豪威集団)の完全傘下です。 - AIメモリ(HBM)に注力するサムスン
同社は急成長するAIデータセンター向けの次世代広帯域メモリ「HBM(高帯域幅メモリ)」へ経営資源を大集中させています。ライバルのSKハイニックスと同様、現在はイメージセンサー(CIS)よりも遥かに利益率が高いHBM市場で巨額の利益を上げており、全社的な「選択と集中」の結果といった感じでしょうか。
力を付けつつある中国勢
中堅層では、開発・設計に特化した中国のファブレスIC設計企業が急速に実力をつけています。
「思特威科技 / スマートセンス」と「格科微電子 / ギャラクシーコア」も中国ファブレスIC設計企業であり、主にCMOSイメージセンサーの開発・設計を手がけています。スマートセンスは監視カメラ(セキュリティ)分野や低価格帯の車載・スマホ向けに強みがあり、ギャラクシーコアはスマートフォン向けの低価格・中価格帯CMOSイメージセンサーやディスプレイドライバーチップを大量に供給する企業と言われています。
今回のデータは「出荷額(金額)ベース」ですが、もし「出荷台数(数量)ベース」であれば中国勢の順位はもっと上にくるはずです。中国勢が低・中価格帯の市場を「大量生産・薄利多売」で席巻する中、ソニーが過半数(53.6%)の出荷額を総取りしている事実は、ソニーのプレミアム戦略(高付加価値)がどれほど圧倒的であるかを逆説的に証明しています。
日経 業界地図 2027

「日経 業界地図」(日本経済新聞社)と「会社四季報 業界地図」(東洋経済新報社)は、日本の2大業界地図として並び称されますが、日経版は巻頭記事である「有望な100の技術」「テクノロジー期待番付」「世界シェア67品目」が印象的です。世界市場のシェアやマクロ経済を抑えるなら日経版が選択肢になるかもしれません。ちなみに「日経 業界地図 2027」の販売価格は、単行本もKindle版(電子書籍)も2,200円(税込)です。私は、毎年購入しています。

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