昨日「GoPro背水の陣」記事を掲載しました。今回はその続きになります。実はGoProがAI搭載プロセッサ「GP3」を発表した時にニコラス・ウッドマンCEOが、興味深いことを語っています。一緒に見てみましょう。

“GP3’s bleeding-edge, cinema-grade performance will enable GoPro to enter the ultra-premium end of the imaging market this year, serving the needs of a new, higher-end market segment that can grow GoPro’s business and brand,” said Nicholas Woodman, GoPro’s founder and CEO. “We’re excited for GP3 to empower GoPro as both an innovator and disrupter as we look to grow our business through market-leading technology and performance.”
GP3がもたらす最先端のシネマ級性能により、GoProは今年、イメージング市場の超プレミアム領域へと進出します。新たなハイエンド層のニーズに応えることで、当社のビジネスとブランドをさらに成長させていくことが可能になります。 市場をリードする技術と性能を通じて事業拡大を目指す中で、GP3が「イノベーター(革新者)」、そして「ディスラプター(破壊者)」としてのGoProを強力に後押ししてくれることを期待しています。
極めて強気なメッセージであることが伺えます。従来の「アクションカメラ」という枠組みを脱却し、「クリエイティブ・ツール」へと再定義を図る意志が明確に示されていると言えるでしょう。戦略的なキーワードが見受けられる興味深いCEOからのメッセージです。
デジカメライフ的視点(考察)
単なる「アクションカメラ」からの脱却と再定義
「シネマ級」と銘打つことで、単なる広角の記録映像ではなく、映画のような階調表現(10-bit Logや高いダイナミックレンジ)や、シネマティックな被写界深度(ボケ味)を、GP3の演算能力で実現しようとしているのではないか?という予測が立てられます。※この辺のところは「ティザープロモーション動画」記事で考察しています。
「GP3」によるリアルタイムAIグレーディングの可能性
「シネマ級」の映像は通常、撮影後の編集(カラーグレーディング)が大変です。新開発チップGP3のパワーを使い、撮影した瞬間に「映画のような色味」をAIが自動で生成する機能が載るのではないか。これが実現すれば、編集の手間を嫌う現代のクリエイターに強く刺さります。
ハードウェアの限界をソフトウェア(GP3)で超える
アクションカメラはサイズに限界があるため、物理的なセンサーサイズではVlogミラーレス等に勝てません。しかし、CEOが「シネマ級」と断言するのは、GP3による「コンピュテーショナル・ビデオ(計算による映像生成)」に絶対の自信がある証拠です。iPhoneが写真の定義を変えたように、GoProが「小さなカメラでも映画が撮れる」という常識破壊(Disrupt)を狙っている、というストーリーが描けます。加えて大型センサー (1インチセンサーなど) が搭載されれば、ハードとソフトウェア双方から大きな恩恵を得ることが可能に。
考えられる3つのシナリオ
「HERO」とは別の「プロ向け新シリーズ」説
かつてGoProには、プロの撮影現場向けの「Omni」や「Odyssey」といった展開がありました。HEROシリーズ(5〜8万円前後)はDJIやInsta360との激しいシェア争いを継続しつつ、15〜20万円クラスの「シネマ専用機」を別ラインで投入する可能性があります。
「超プレミアム」という言葉は、既存のユーザー層ではなく、ミラーレス機やシネマカメラ(FX3やLUMIX GHシリーズ等)を使っている層を奪いに行くという宣戦布告とも取れます。
「モジュール化」によるハイエンド機への変貌説
今のHEROシリーズの形状を維持しつつ、レンズユニットの完全交換式、あるいは大型センサーユニットを合体させるモジュール・スタイルの再来も十分に考えられます。「アクションカメラ」という枠を飛び越え、「ポケットに入る最小のシネマカメラ」という立ち位置へシフトする可能性も捨てきれません。ライカとレンズで提携しているInsta360に対抗するには、GP3の演算力(ソフト)だけでなく、物理的な光学性能(ハード)で圧倒する必要があります。
「HERO 14 (仮)」そのものが超高価格化する賭け説
これが最も「背水の陣」らしいシナリオですが、中途半端な価格競争をやめ、次世代機そのものを圧倒的な高性能・高価格機(例えば12万円〜)に振り切るパターンです。廉価版(HERO11 Black Miniのようなライン)と、最高級の「HERO Ultra(仮)」に二極化させる戦略です。ちなみにGoProは、今年度の売上を20%増見込んでいます。
まとめ
ウッドマンCEOが語る「超プレミアム」とは、もはや泥にまみれるアクションカメラの卒業を意味しているのではないか。GP3という心臓部を得たGoProが狙うのは、「DJI Osmo Action」や「Insta360 Ace Pro 2」ではなく、シネマラインという名の「表現者」の市場かもしれません。
※少し話は変わります。掲載している画像は画像AIで作成しています。どうしても一部の漢字が、中国語っぽいというか、旧字ぽいようなカタチで生成されてしまいます。ご了承ください。


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