キヤノンが、2026年12月期 第1四半期(1月-3月)決算の質疑応答(Q&A)資料を公開しました。このところのメモリ価格高騰を中心にやり取りした内容となっており、カメラ事業におけるメモリ高騰の影響と来年以降の不透明感を示唆しています。

メモリコスト増による業績への影響
全社で503億円のコストアップ
キヤノンは2026年通期の営業利益予想を、従来の4,790億円から4,560億円へと230億円下方修正しました。この要因の主軸は、想定を上回るペースで進行したメモリ(半導体メモリ)の価格高騰による約500億円のコスト増です。
対策として、すでに値上げが選択肢に
500億円規模のコスト増に対し、約半分(250億円程度)を値上げやコスト削減、経費の圧縮によって補う計画です。
カメラ事業(イメージング)への直撃
全社のコスト増503億円のうち、カメラ単体で約200億円、ネットワークカメラで約100億円のマイナス影響を見込んでいます。1四半期の実績値でも、メモリコスト上昇が利益の押し下げ要因となっています。
急激なメモリ価格上昇の背景
AI需要の急激な拡大により、想定を上回る急激な価格上昇が発生しています。今回の質疑応答中で、スポット価格(随時契約価格)は通常の契約価格の2倍から3倍に達していること、そして数量確保のためにこの高値を飲んで調達している実態が明かされました。
調達状況と見通し
調達状況
価格は高騰しているものの、2026年年内に必要なメモリ数量については、ほぼ確保済み(手当て済み)としています。供給不足による「作れない」というリスクは回避した形ですが、その代償として高額なスポット価格を飲んでいるため、利益が削られています。
来年(2027年)以降の不透明感
キヤノンは、メモリ価格の高騰が「年内は続き、来年前半は高止まりする」との見通しを示しています。その結果、新たに結ぶ「来年の契約価格」そのものが、現時点のスポット価格並みに引き上げられてしまうリスクがあります。
【考察】デジカメライフ的視点

前回の決算発表時、キヤノンはメモリコストアップの影響は60~70億円としていましたが、わずか3ヶ月で「503億円」へ桁が変わるレベルでに跳ね上がっており、事態の深刻さが伺えます。キヤノンの想定通り、来年前半まで価格は高止まり、来年下期以降はメモリ製造メーカーの増産体制が整い、徐々に価格が下がってくるのかどうか。

キヤノンは、市中在庫や中東情勢の影響を織り込みカメラの年間販売台数を 295万台 → 290万台に引き下げていますが、今回のQ1決算発表を見る限り、カメラ事業は堅調です。実際このメモリー高騰問題でイメージングは持ちこたえるのか、どこまで下振れするのか注視する必要があります。
新製品への影響 : これから発表される新製品の価格設定が、この「スポット価格に近いメモリコスト」を前提としたものになるのか、注目が集まりそうです。
決算発表翌日の4月24日には株価は急落し、投資家は織り込みに入っている状態。※ 株価のスクリーンショットは、Google Finance より
2026年は利益を削ってでも在庫を確保し販売を維持するが、来年以降もこのコスト高が続けば、製品価格への転嫁(値上げ)や、より抜本的なコスト対策が必要になる、中長期的な収益性の懸念が残る展開になるかもしれません。

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