GoProの現在位置 : 最低入札価格要件を満たさず再びナスダックから違反(不適合)の通告

2026年7月、GoProに関する2つの大きなニュースが相次いで飛び込んできました。1つ目は、創業者であるニコラス・ウッドマン氏が2,000万ドル(約30億円)を会社に投入したこと。2つ目は、株価が30営業日連続で1.00ドルを下回り、ナスダックから上場維持基準の違反(不適合)通告を受けたことです。

GoPro株価

「2,000万ドルの資金投入」は、倒産を防ぐための命綱

2026年7月6日、創業者であるニコラス・ウッドマン氏が2,000万ドル(約30億円)を会社に投入しました。これは6月に「GoPro存続のリスク」が顕在化したことを受け、融資不履行のリスクを一時的に和らげるために実行されたと言われています。

現在GoProは身売りも視野に入れて交渉を進めていますが、資金が完全に底を突くと、他社から不当に安い価格で買い叩かれてしまいます。手元資金を厚くして「猶予」を作ることで、少しでも良い条件で会社を売却・合併するための交渉材料にしているのが現状です。

※株価のスクリーンショットは、Google Financeより

1ドルルール(最低入札価格要件): 猶予は180日間

以前に掲載した「GoPro「背水の陣」の次世代機投入 上場廃止の足音と薄利多売の深淵」記事で触れましたが、GoProはナスダックに上場しています。ナスダックには1ドルルール(最低入札価格要件)が存在し、株価が30営業日連続で1.00ドルを下回ると「上場維持基準不適合」とみなされます。

通告から180日間の猶予期間中に、GoProは「最低10営業日連続で終値が1.00ドル以上」を維持しなければなりません。GoProは2025年にも同様の通告を受けましたが、その際は180日以内に1ドル台を回復し、基準をクリアした経緯があります。

ちなみにGoProは、ナスダックの中で最も格上の「ナスダック・グローバル・セレクト・マーケット」に上場しています。仮に最初の180日以内に1ドルを回復できない場合でも、ワンランク下の「ナスダック・キャピタル・マーケット」へ移籍することを条件に、さらに180日間の猶予(合計360日間)を得ることができます。※条件を満たし、ナスダックから追加猶予の承認を得る必要があります。

最終手段:「株式併合(リバーススプリット)」で強制クリア

株式併合とは、複数の株式を1株に統合することで理論上の株価を引き上げる手法です。例えば「10株を1株」にまとめれば株価は10倍になり、見た目の株価を強制的に1ドル以上に引き上げることができます。ナスダックの上場廃止基準を即座に回避できるメリットがある反面、業績の根本的改善を伴わないため、市場や投資家からさらに見放されるリスクも孕んでいます。

本当に上場廃止になるのはどんな時?

猶予期間内に株価が回復しなかったとしても、すぐに上場廃止となるわけではありません。市場を移してさらに180日延命するか、最終手段である「株式併合」を使って強制的に基準をクリアする道が残されているため、実質的なタイムリミットは1年近くあると言えます。その猶予期間中に、少しでも良い条件で身売り先を見つけることこそが、現在のGoProにとって唯一にして最大の最適解なのかもしれません。

創創業者の資金投入によってひとまず時間を稼いだGoProですが、根本的な業績改善が見込めるのか、あるいは身売り交渉に大きな進展があるのか、次の決算発表が大きな山場となります。

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