キヤノンが、2026年12月期 第2四半期 決算発表(2026年4月-6月実績)を行いました。グループ全体の営業利益が1,592億円(前年同期比+35.2%)、純利益が1,229億円(同+46.9%)と大幅な増益を記録しました。グループ全体の業績が非常に好調に推移する中、その最大の牽引役となったのが「イメージンググループ(カメラ事業)」です。同部門の営業利益は前年同期比で+78.7%と急増。
なぜこれほどまでにイメージング部門の利益が跳ね上がったのか? 本記事では、EOS Rシステムの動向やRFレンズの販売状況、為替の影響などを交えながら、Q2決算の背景を分かりやすく解説します。
キヤノン全体の2026年Q2実績

- 売上高:1兆1,809億円(前年同期比 +3.6%)
- 営業利益:1,592億円(前年同期比 +35.2%)
- 純利益:1,229億円(前年同期比 +46.9%)
対前年同期比でで3.6%増収の1兆1,809億円となり、過去最高を更新したとのこと。メモリーや原材料コストの悪材料よりも、為替の円安や米国追加関税還付などの好転要素の影響が大きいことが明らかに。
経費に関しては、円安による膨張に加え、ベースアップ(人件費増)や成長領域への開発費投資、構造改革費用などが重なり一時的に悪化しています。しかし、その中でカメラが明確に「成長領域」として位置づけられている点は見逃せません。
前年同期比で営業利益が+35.2%、純利益が+46.9%と大幅増益を記録しており、「為替の円安効果」「イメージング(カメラ)部門の絶好調」「半導体製造装置などの産業機器の好調」の3点に集約されます。
イメージング 2026年Q2実績

ちなみにイメージングは、レンズ交換式デジタルカメラ、交換レンズ、コンパクトデジタルカメラ、コンパクトフォトプリンター、MRシステム、ネットワークカメラ、ビデオ管理ソフトウェア、映像解析ソフトウェア、デジタルビデオカメラ、デジタルシネマカメラ、放送機器を含みます。
<カメラ>
若年層を中心とした新規のカメラユーザーの増加が続いており、コンパクトカメラの市場規模は拡大しており、レンズ交換式カメラの市場規模については、中東情勢の影響分を引き下げますが、645万台を想定しています。
第2四半期は、コンパクトカメラにおいて、昨年下期に実施した増産による供給増を背景に、大幅に売上を増加させました。レンズ交換式カメラについては、昨年11月に発売した新製品「EOS R6 Mark III」を中心にフルサイズモデルが第1四半期と比べて大きく販売を伸ばし平均単価も上昇したことで、対前年12.9%の増収となりました。
下期については、好調なコンパクトカメラは、需要に応えきれていない状況を一日でも早く解消できるよう、さらなる増産体制を築き、売上を一段と伸ばしていきます。レンズ交換式カメラは、上期に販売を伸ばした「EOS R6Mark III」に加え、6月に発売した動画クリエイター向けのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 V」を中心にフルサイズモデルの販売を強化し、カメラとしては年間で11.6%の増収を目指していきます。
- 売上高 カメラ : 1,754億円(前年同期比 +12.9%)
- 売上高 ネットワークカメラ他 : 1,314億円(前年同期比 +24.8%)
- 売上合計 : 3,068億円(前年同期比 +17.7%)
- 営業利益:698億円(前年同期比 +78.7%)
イメージング部門は、カメラ事業・ネットワークカメラ事業ともに好調を維持しています。特にイメージングの営業利益は前年同期比で+78.7%と大幅に増益しており、為替の影響だけでなく、元々利益率が高い上位機種や交換レンズの売上が堅調、コンデジ人気で若年層を取り込み、幅広い顧客層を獲得していることがうかがえます。
イメージング 2026 最新通期見通し ※2026年1月-12月
- カメラ 売上 … 6,980億円 (対前年 +11.6%)
- ネットワークカメラ他 売上 … 5,035億円 (対前年 +17.3%)
- 売上合計 … 1兆2,015億円(対前年 +13.9%)
- 営業利益 … 1,915億円(+10.8%)
カメラの年間売上見通しは6,980億円となっており、前年比で+11.6%を目指しています。営業利益も前年比で+10.8%を見通しており、今年度もイメージングは堅調に推移していきそうな気配です。
これまでの見通しに織り込んでいなかった不明確な要素を計画に反映
Q1決算発表では、不明確な要素を見通しに織り込んでいませんでしたが、Q2決算の見通しでは計画に織り込んだことを明言しています。
悪化要素
- 中東情勢影響 ▲346億円
売上の正常化は10月以降まで延伸
原油関連の原材料・部品コストや輸送費などの上昇を織り込み - メモリ価格高騰による追加コストアップ▲60億円
好転要素
- 還付を含めた米国関税影響+375億円
- 為替影響+341億円
- 下期前提レート(USD150円→155円、EUR175円→180円
上記の「悪化要素」と「好転要素」を反映し、今年度のキヤノン全体の営業利益を90億円上方修正しました。中東情勢で-346億円、メモリー価格高騰で-60億円を織り込みながら、米国関税還付金や為替のプラス要素の方が大きいことが分かります。あと製品価格の値上がりも続くので、その辺も営業利益向上の要因のひとつではないでしょうか。


コメント